私達は「風」「水」「食」という入力において、同時に「氣」というエネルギーも入力していると風水では考えています。
人間は呼吸で酸素と共に大氣を取り入れ、飲み物を取ることで水氣も体内に取り込み、食事によって様々な栄養素を摂取すると同時に食物の「氣」をも摂取している
――それこそが風水でいう地球と人との「氣」の交流なのです。 しかし、地球はただ人とだけ氣の交流を行っている訳ではありません。地球という観点から見れば、人間との氣の交流など、全体の中の一部でしかないのですから。それでは、地球に「氣」を――エネルギーを与えているのは一体何なのでしょうか。地球にエネルギーを与え、地球の環境に大きな影響を及ぼしている存在。
それは、古代から私達人間も恩恵を受け、時には信仰の対象としてきたもの――太陽をはじめとした星々の世界、宇宙です。
これを風水では《天の氣》《地の氣》《人の氣》と大別していました。
それぞれの氣が互いに交流し、やり取りによって氣が万物を流転することで世界はなりなっていると考えていたのです。天である太陽と宇宙は地である地球にエネルギーを与え、地球は天から与えられた氣を大地と大氣を通して地球の隅々にまで伝えていく。
それならば、ちょうど、人間が入力されたエネルギーを血管を通して全身に運んでいくように、地球にもまたエネルギーを運ぶ「何か」があるに違いない。
風水を編み出した古代中国の人々はそのように考え、地球が持っている「氣」の流れる道筋、人間でいう血管に相当するものを「龍脈」とと呼びました。
龍脈を巡って氣は巡り、地球全体を流れていきます。そして、龍脈を伝って流れる氣が地上に溢れる場所、人間でいえば鼻や口のように氣の交流を行うものを「龍穴」と呼び、そこを他の場所よりも「氣」に満ちた場所だと考えて尊んできたのです。
もちろん風水学においても、龍脈と龍穴は重要な意味を持ちます。
風水学の大目的である「命を磨く」ということを達成し、命を光り輝かせていくには、命の源であるエネルギー、特に「氣」を入力することが必須となります。そして、より多くの氣を入力しようとするならば、より多くの氣を湛えている場所――龍穴と交流した方がずっと良い結果を出すことが出来るのは間違いないのですから。
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